15th選抜発表を受けて

 こんばんは。

 前回の更新から、かなり間が空いてしまいましたが、昨日「乃木坂工事中」にて15thシングルの選抜発表がありましたので、そのことに少し触れておきたいと思い、記事を書きます。

 15thシングルで、玲香さんは2列目10番(上手端)のポジションが与えられました。前作まで2作つづけて3列目でしたので、今作では1列前に来たということになります。また、これにより福神への復帰も果たしました(今回は10福神)。

 玲香さんのコメントは、前作前々作と福神から落ちていたことで、それまで甘えていた自分自身について見つめ直すことができた。その成果を、夏から6年目に入り、3期生も加入し、大きく変化するであろう(してほしい)グループにおいて、発揮できるように頑張りたい、とのことでした。

 この、自分自身について見つめ直す、ということに関して、少し前になりますが、今年の3月末に発売された雑誌UPDATE Girls vol.003の中のインタビューで興味深いことを言っていたので、以下引用します。
音楽もダンスも自分の好みのジャンルや系統とは違うし、ファッションに関しても、自分に似合う色ではなかったりする。たぶん、アイドルらしい、かわいい感じではないんですよね。でも、そこになじもうとは思ってないし、自分の個性を殺すよりも、持ち続けたほうがいいなと思ってて。最近、アイドルに寄せる必要はないなと思えるようになったんです。
 アイドル、特に大所帯のグループに属するアイドルというのは、なかなか自分を見定めることが難しいのではないか、と思うことがあります。活動は多岐にわたり、自分だけのために周りが動くわけではありません。そうするとおのずと、仕事によって合う合わない、得手不得手、という相性の問題は必ずついてまわります。そのうえで、運営やファン、あるいはより外部の声によって比較もされますし、また中にいる自分たち自身でもしてしまうでしょう。メンバーは仲間ですが、時にはライバルです。自分の好き嫌い、強みや弱みを把握していないと、そうした比較が、時に惑わせてしまうかもしれません。人間の魅力は多面的なものですが、そのことを忘れて、なにか一部分の評価にとらわれてしまうかもしれません。だからこそ、自分を見つめて、個性を認識し、それを活かすように努めることは極めて重要なことだと思うのです。

 乃木坂46は、個々のメンバーの得手不得手を度外視し、個性の枝葉をできるだけ切り落として同じ方向に向かってがんばろう、という段階のグループではありません。もう、プリンシパルの時代は終わりました。

 昨年あたりから、個人個人がそれぞれのフィールドで活躍する機会が格段に増え、ラジオ、舞台、バラエティ、モデル、新聞・雑誌連載、歌番組、いろいろな場所で異なるメンバーを見るようになりました。

 そして、それは同時に、個人個人の責任の増大ということでもあります。みんなで同じことをしなくなった分、一人一人が自分を見つめて、自発的に動くことが求められるようになりました。

 玲香さんは先の雑誌の中で以下のように発言しています。
そろそろ待つだけじゃなく、自分で動いてつかみに行かないといけない年齢になってきたなって思ってて。自分からアピールするのはほんっっっとに苦手なんですけど(笑)、できないなりに頑張って、自分から行動を起こしていきたいなと思いますね
 先日の舞台じょしらく弐は、立候補制でした。立候補するかしないか、どちらの選択が正しいのかは、メンバーによって違うはずです。玲香さんは立候補しました。女優を目指す彼女にとって、昨年の秋から「すべての犬は天国へ行く」「リボンの騎士」の2作品に出演したことは自分を見つめる上でとても重要な出来事であったことは間違いありません。それを踏まえた結果の一つが、立候補であったのだと思います。彼女は女優という夢に向かって着実に歩みを進めています。

 各々のメンバーの個性の発揮は、グループとしての色やまとまりが失われることと同義ではない、と私は信じています。みんながみんな同じことをしなくとも、それぞれのメンバーが、互いに異なる「それぞれの椅子」に座っていたとしても、乃木坂46というグループの色はあります。それがどんな色になるのか。一人一人の活躍がグループに還元される、と多くのメンバーが口にしています。その成果を一つの面から測る絶好の機会として全国ツアーがあります。だから、私は15thの期間が興味深いし、楽しみです。そして、その中で、玲香さんが一個人として、またキャプテンとしてどのような活躍をするのか、いまからとてもワクワクしています。

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「リボンの騎士」DVDが発売されたよ!

 こんにちは。昨年11月12日から17日に東京の赤坂ACTシアター、12月3日から6日に大阪のシアターBRAVA!にて上演され、好評を博したミュージカル「リボンの騎士」がこのたびDVDとなりましたので、桜井玲香さん推しの当ブログでも宣伝をします。
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 手塚治虫原作で誰もがそのタイトルを知るような有名な作品ではありますが、内容を知らないという方のために、まずはじめに「リボンの騎士」のあらすじを引用します。
天使のいたずらで、男の心と女の心、2つの心を持って生まれてきたサファイアは、女の子なのにシルバーランドの王子として育てられる。成長した彼女は隣国のフランツ王子に恋をし、2つの心の間でゆれうごく・・・。我が子を国王にと目論む大公達の陰謀も知らずに、即位式の場で自分が女の子であることを告白するサファイア。国外追放の身となったサファイアは、危ういところを海賊ブラッドに救われ、リボンの騎士”となって王国にはびこる悪と闘うことを決意。一方、魔女の館では、おてんば娘のへケートを立派な魔女にするために、ヘル夫人がサファイアから“女の心”を抜き取ろうと手ぐすねを引いて待っていた・・・。
(なかよし60周年記念公演 ミュージカル「リボンの騎士」より)

 桜井玲香さんが演じたのは、魔女の娘ヘケート。魔法でつくられたため心が未熟で、恋愛感情がわかりません。頑是ない子供のごとく、無邪気で純粋で好奇心の旺盛な子です。魔女の娘だからといって決して型にはめたようなわかりやすい悪役ではありません。母親のヘル夫人とともに、サファイアたちを引っ掻き回し、ときには引っ搔き回され、心を育てていきます。優しさや愛情とはなにか。サファイアと対照的に描かれ、物語を通じて成長していく、もう一人の主人公といっても良いでしょう。
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 この作品において、ヘケートは異色の存在であり、いわばアクセントになっています。物語は基本的に王位継承を巡る話なので、大多数の登場人物の立ち居振る舞いや口調、衣装は優雅で上品であるのに対して、ヘケートは気持ちを態度にハッキリあらわす粗野な性格であり、衣装も刺激的です。
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 しかしながら、反抗期の子どもらしさを感じさせるそのキャラクターはある意味でかわいらしく、ヘケートは作中随一の萌えキャラともいえます。玲香さんの、キャラクターの天真爛漫さを最大限に引き立てる演技は見事です。個人的に、ヘケートは作中もっとも生き生きした魅力的な登場人物であると思います。
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 そして、違いといえば、ミュージカルの目玉である歌にも違いが現れています。ヘケートの歌は他と異なるロック調なのです。そうした曲調もあって、普段の乃木坂のライブでは聴くことのできない玲香さんの歌声を楽しむことができます。

 特に登場曲はラスト、高音のロングトーンが絶妙で、玲香さんの歌唱力の高さを堪能することができるでしょう。「悪魔の娘よ文句ある?」というフレーズも耳から離れなくなるはずです。

 歌に関しては、さらに、母親のヘル夫人役のはいだしょうこさん(元タカラジェンヌ、うたのおねえさん)の歌声が絶品で、これに必死にくらいついてのデュエットもありますから、聴きどころたっぷりです。
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 そして、最後に本編ではなく、DVDの特典である生田絵梨花さんとの対談もオススメしておきます。東京公演の千秋楽の日に撮影されたもので、お互いの好きなシーンや、好きな曲、稽古中の裏話などを語り合っているのですが、玲香さん本人が、ヘケートを演じて普段の自分も一層アイドルらしくなったと言うように、この映像でも非常にテンションが高い玲香さんの可愛い姿を観ることができます。


 というわけで、桜井玲香さんの魅力がたくさん詰まった「リボンの騎士」DVDをぜひお手元にどうぞ。

桜井玲香 個人PV紹介まとめ

 この記事では、桜井玲香さんの個人PVを紹介したいと思います。
 
 個人PVとは、乃木坂46のシングル初回仕様限定版(DVDつき)に特典として収録される一作品5分あまりの映像で、さまざまな分野のクリエイターたちがメンバー1人1人を主役に、その魅力をドラマや歌、ドキュメンタリーなど、それぞれの形で自由に表現したものです。
  
 内容は監督たちの裁量に任され、そのため同じシングルの中でも、メンバーごとにまるで毛色の異なる個性的な作品が揃います。乃木坂46が誇る、ひとつの大きな武器といえるでしょう。
 
 以下で、桜井玲香さんの個人PVを紹介しますので、気になったものがあれば、ぜひ、シングルをお買い求めください。(もしかしたら、他のメンバーの作品にお気に入りを見つけられるかもしれません。)
 
 なお、6thシングルと8thシングルにつきましては、特典映像は個人PVではないので、割愛させていただきました。
 
 

1st「ぐるぐるカーテン」(Type-C収録)

「走る少女」
監督 : 森田一
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 制服にローファーという出立ちの桜井が、朝日に向かってひたすらに全力で走る映像。音楽はなく、走る桜井の息遣いと、ローファーがアスファルトをリズムよく叩く音だけが響く。顔はあえて映し出されず、テロップで桜井のプロフィールや好きなものが淡々と紹介される。自己紹介だ。立ち止まって、ようやく映し出される桜井の表情は、清々しく、希望に満ちている。そして、桜井は再び走り出す。
 
公式動画リンク(フルです)

 

ぐるぐるカーテンC(DVD付)

ぐるぐるカーテンC(DVD付)

 

 



 
2nd「おいでシャンプー」(Type-A収録)
「学校帰りのさぼり」
監督 : 内村宏幸
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 学校帰り、桜井を待っていたのは、同じ塾に通う男子。といっても普段はみんなと一緒にいる中の、集団の中の1人にすぎない。だから、こうして2人きりで歩くのは初めて。すると、彼が突然、塾に向かう道とは違う方へ連れて行く。
「ねぇ、塾、行かないの?」
 戸惑いつつも、ぐいぐいと彼に引き込まれていく桜井の姿が映る。そして、彼女の心の声が。
ていうか、これ、どう見ても、デートだ。」
 
公式動画リンク(ダイジェストです)

 

おいでシャンプー(Type-A)(DVD付)

おいでシャンプー(Type-A)(DVD付)

 

 



 
3rd「走れ!Bicycle」(Type-C収録)
「都内名所」
監督 : AKIRA OKIMURA
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 渋谷、新宿、丸の内。浅草、築地、神楽坂。都内のあらゆる名所を自転車でめぐる。ときには歩き、ときには走って。ときには船に乗って。もんじゃ、お団子、卵焼き。各地の名物を食べながら。テンポよく切り替わる映像が楽しい。随所に挟まれる自撮りの動画は、いかにもひとり旅らしい。途中、ソフトクリームを落とすという、マンガのようなアクシデントで、あたふたする桜井が可愛らしい。
 
公式動画リンク(ダイジェストです)

 

走れ!Bicycle(DVD付C)

走れ!Bicycle(DVD付C)

 

 



 
4th「制服のマネキン」(Type-C収録)
監督 : 頃安祐良
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「自分のやり方が見つからない。」
 もともと、キャプテンなんてやるような人ではなかったし、むしろ、まとめられる側の人だった。それなのに、なぜか、乃木坂46のキャプテンに就任してしまった。
「どうしたらいいかがわからない。」
 そんな桜井が、キャプテンシーに対する苦手意識を克服すべく、小学生たちとサッカーのリフティングに挑戦する。真剣に取り組みながら、自分なりのキャプテンのやり方を模索し、一つの答えにたどり着く。
 
公式動画リンク(ダイジェスト)

 

制服のマネキン【DVD付 / Type-C】

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5th「君の名は希望」(Type-B収録)
「どこでも小窓」
監督 : 中村太洸
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 未来から来た猫が置いていったのは、頭に思い描いた好きな場所を覗きこむことができる「どこでも小窓」。小窓なので、体は引っかかって通り抜けることができないが、それでも、千里眼を得たようなものなのだから愉快だ。さっそく、あちこち覗いて擬似海外旅行にでも行こう。
 そんなある日、桜井は街で通りすがりの男に一目惚れする。そして、いけないとわかっていながら、どうしても気になってしまい、つい小窓からその人の生活を覗きこんでしまう。
「私の幸せはどこにあるの?」
 
公式動画リンク(予告編)

 

君の名は希望(DVD付B)

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7th「バレッタ」(Type-C収録)
「City Lights」
監督 : 岡川太郎
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 夜の都会の街を漫然と歩き回る桜井。地下道の蛍光灯、自動販売機の明かり、駐車場の電光看板。街灯や、オフィスビルから漏れた光。都会にあふれる、さまざまな光と、夜の闇の間を縫うように歩くと、少しずつ違う姿が映し出される。時折はさみこまれるモノクロ映像がよいアクセント。シンプルで上品なコーディネートに身を包み、無駄な装飾はない。工事現場や公園、駐車場。ありきたりな光景でも、桜井がいるだけで、なんとも絵になる。
 桜井の美しいビジュアルを存分に楽しむことのできる作品。
 
公式動画リンク(予告編)

 

バレッタ【CD+DVD盤/初回仕様限定盤C】

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9th「夏のFree&Easy」(Type-B収録)
「ほとんど役に立たない映像のお芝居サンプル」
監督 : 三木聡
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 「掃除機のホースを顔にだんだん近づける。何処まで行ったら顔に吸い付くかやってみたら、意外に遠くからシュポッとなってびっくり。」など、変わったテーマの短い演技ばかりを集めたタイトル通りの作品。全て桜井の一人芝居。テーマがテーマだけに、コメディ色が濃く、思わず、くすりとしてしまう。短くて、また脈絡もない場面が多いが、どれもきちんとやりきっていて、桜井の演技における器用さが見て取れる。
 
公式動画リンク(「予告編」ですが、本編には使われていないシーンばかりなので、本編しか観ていない方も必見です。)

 

夏のFree&Easy(DVD付B)

夏のFree&Easy(DVD付B)

 

 



 



 
10th「何度目の青空か?」(Type-B収録)
「20歳」
監督 : 平野奈央、福岡郷介
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 20歳という節目の歳を迎えた桜井の姿を記録として映像に残したような作品。本人のナレーションで、好きなものを羅列する。
「春と夏と、冬が好き。」「秋が好き。」
 詩的な言葉と、やわらかい日差しと、BGMのやさしいピアノの音色と、そして桜井の飾らない美しさが、絶妙な調和を織りなす。7thの「City Lights」とは対照的に、昼間の明かりの中の映像。解放的な空、髪をなでるそよ風、太陽の光が桜井によく似合う。エンドロールでは、幼少期から20歳になるまでの写真が並ぶニクい演出。
 
公式動画リンク(予告編)

 

何度目の青空か?(DVD付B)

何度目の青空か?(DVD付B)

 

 



 



 
11th「命は美しい」(Type-A収録)
「早春の発熱」
(衛藤美彩とのペア作品)
監督 : 今泉力哉
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  桜井と衛藤は親友どうし。友情のために、お互いに秘密を抱える。恋が2人の関係の邪魔にならないように。
 桜井のつくった歌を歌う2人。イヤフォンを片耳ずつ分け合う様子があたたかい。失恋の歌だ。なにを思い、歌っているのだろうか。
 歌唱力に定評のある2人の歌声を堪能できる作品。桜井の甘くて湿った、からみつくような歌声が歌詞とリンクし、心地よい。
 歌い終わると、コンビニに買い物に出かける。じゃれあう2人の後ろ姿が良い。
 
公式動画リンク(予告編)

 

 

命は美しい(Type-A)(DVD付)

命は美しい(Type-A)(DVD付)

 

 

 



 
12th「太陽ノック」(Type-A収録)
「夏のせい。」
(伊藤万理華とのペア作品)
監督 : 山岸聖太
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 「おせーぞ、ブス」
 学校の屋上、少し粗暴で強気な少女(伊藤)と、地味で真面目なクラス委員(桜井)の交流を描く。桜井は、クラスにおける伊藤の人間関係を心配する。
「じゃあ、あんたはさぁ、こうやってあたしと話したりすること得だって思ってるんだ」
無言で頷く桜井。2人の少女の間で不器用に育まれる友情。温度差が少しずつなくなっていく。
「嘘だ、ブス」「…おい!」
 冗談を言い合う少女たちの屈託のない笑顔がまぶしい。
 2人のたしかな演技力と、印象的なセリフが魅力的な作品。
 
公式動画リンク(予告編)

 

太陽ノック(Type-A)(DVD付)

太陽ノック(Type-A)(DVD付)

 

 



 
13th「今、話したい誰かがいる」(Type-A収録)
桜井玲香とその手仕事」
監督 : 西井舞
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 制服のうしろのホックを外す、髪を束ねる、服にペイントする、卵を割る、ごはんを口に運ぶ。作業する桜井の姿を間近で撮影した繊細で美しい映像。丸みを帯びた小さな手、指の爪、うなじ、わずかに立った耳の形、大きな目と口、色っぽい厚めの唇、口の横にある2つのほくろ、しっかりとした端麗な鼻梁、凛々しい眉。桜井玲香という素材の美しさをこれでもかというほど、映し出す。最後に、自らペイントしたドレスに身を包み、髪型もセットして、カーテンの奥から登場する桜井の姿に思わず見惚れてしまう。
 
公式動画リンク(予告編)

 

 

 

 



 
14th「ハルジオンが咲く頃」(Type-B収録)
「アイラブユー」
監督 : 松本壮史
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 放課後の教室。桜井が忘れ物を取りにくると、そこにいたのは、告白の練習をする告白マニアの男、山田。
「ねぇ。あたしに告白してみてよ。」
 実際に告白をしたことも、そもそも恋をしたこともない山田は、皮肉にも告白のことをなにもわかっていない。
「じゃあ、やってみてよ。お手本」
 うながされた桜井の告白は、至極シンプルな言葉だが、緊張と真剣さと不安と覚悟と、いろんな感情の入り混じった誠実なものだった。
 はじめて人を好きになった瞬間。爽やかな音楽が鳴り響く。青春の匂いが充満した作品。
 
公式動画リンク(予告編)

 

ハルジオンが咲く頃(Type-B)(DVD付)

ハルジオンが咲く頃(Type-B)(DVD付)

 

 



 
 
参考文献
「MdN EXTRA Vol.3 乃木坂46 映像の世界」MdN EXTRA Vol.3 乃木坂46 映像の世界 (インプレスムック)

 

 

 

 

 

 

 

「君の足跡」を読んで

  よく、映画を観たあとに、パンフレットにある制作陣のインタビューなどを読んで、改めてもう一度観直すと、印象が変化したり、新たな面白さを発見したりすることがあります。
 生駒里奈ちゃんのファースト写真集「君の足跡」(本日2/24発売)は私がまさにそんな体験をした作品となりました。生駒里奈ちゃんとカメラマンの青山裕企氏とのインタビュー(https://cakes.mu/posts/12306)を読んで私がどのようにこの作品を捉えるようになったのかを、この記事では書きたいと思います。

 あらかじめ断わっておきますが、以下の私の感想は制作者の意図を断定する目的のものではなく、あくまでも一読者として私個人が勝手に想像をはたらかせたものであり、いわば私の見方あるいは解釈です。写真集としてひとたび制作者の手を離れたら、その解釈は読者の自由である、ということを前提に、数多ある意見の一つに過ぎないものとして許容されることを願います。


 まずは生駒ちゃんの上記のインタビューでの発言を引用をします。この作品に彼女はどのような意図で臨んだのでしょうか。
制服とか学校っていう「10代をテーマにした作品集を出したい」
アイドルが写真集っていうと、普通はその子の持っている良さだとか、素の部分を撮ってもらうものじゃないですか。でも私はそういうのじゃなく、こういう学校のシチュエーションだったり、10代の女の子が着る制服の良さを収めた作品集を作ってもらいたかった
ーーアイドル・生駒里奈を軸にした写真集ではなく、自分を素材にしたシチュエーションや衣装を見せるものにしたかった?
そうそう、そうなんです。(中略)乃木坂46の中でも、私って一番そういう制服の女の子の良さを伝えるのに向いてると思うんです。
 そして、次に同じインタビューでの青山氏の発言。
現役アイドルの生駒里奈を撮るからには、どこまでいっても“アイドル写真集”っていうパッケージから出られるものじゃないと思うんです。だから、ファンの方が見たいであろう写真を入れつつ、生駒ちゃんがやりたいことをやり、僕がやりたいこともやった
 ファンが見たい写真というのは、生駒ちゃんの言うように、「その子の持っている良さだとか、素の部分」を引き出した写真であって、それはたとえば表情から生駒ちゃんの人間性を垣間見ることのできるような、個性の強味をいかした写真でしょう。
 ところが、生駒ちゃんのやりたいこととは、生駒ちゃんらしさを消して、いわばマネキンと化すことであった。生駒里奈のビジュアルだけを切り抜いて、個性を排除した、その先の内面的個性を想像させないような写真です。生駒ちゃんは、10代の女子学生の持つ、成熟しきらない中性的な部分を、自身の身体的特徴や雰囲気に重ね合わせています。どうやら、彼女は自分自身を「10代」だとか「学生」だとかいった言葉が内包するイメージの象徴的存在として捉えているらしい。

 おもしろいのは、これらの要求が一見アンバランスに見えて、実は調和がとれているということです。写真集の中で、生駒ちゃんは無表情であったり、哀しみを漂わせたような表情が多く、それはある意味でマネキンらしさを演出するのに効果的でありながら、また、ファンが求める生駒ちゃんの持つクールさ、儚げな魅力を伝えてもいるわけです。さらに、以下で述べるように、この作品を生駒ちゃんの人生の歩みを隠喩する作品として見たときに、このマネキンとしての個性を削った生駒ちゃんこそが、作品を通して見たときに彼女の「足跡」を表現するのにかえって役立っているという不思議な現象に気づくのです。

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 青山氏はこの写真集を生駒ちゃんの成長の記録としても位置付けていることを、コメント(https://twitter.com/yukiao/status/687117720484106240)の中で語っています。
10代の、大人になる前の生駒ちゃんの成長を、しっかり将来に本という形で残してあげたい
生駒ちゃんが生まれた故郷である秋田の空気をいっぱい詰め込んで、そんななかで泣き虫だった生駒ちゃんも、いろんな困難を自力で乗り越えて、しっかりと立派に成長してゆく姿を残すことが出来るように、さまざまな工夫を凝らしました。
 この写真集が、生駒ちゃんの人生の歩みを隠喩するものであることは、題名の「君の足跡」でも表現されています。

 私はこの写真集は、生駒ちゃんが芸能界に入る前からはじまって、乃木坂46に入り、困難を乗り越え、成長し、強くなっていく過程をうまく描いていると感じました。

 彼女の故郷である秋田というのは、彼女が芸能界に入る前に住んでいた世界です。いわば、非芸能界の象徴です。しかし、写真集の撮影でその地に帰った生駒里奈は公的な存在、芸能人としての「生駒里奈」です。この変化、ギャップが見事に表現されているのが、最後の雪景色の一連の写真です。中でも、特に、見開きで生駒ちゃんが雪原に佇む姿を捉えた写真が続くページは対照的でおもしろい。子供らしいオーバーオールに身を包んだ生駒ちゃんは、ポージングも表情も幼く無垢で彼女の上京前のイメージです。一方で、次の、白いワンピースに身を包んだ生駒ちゃんは凛々しく、強さを感じさせ、それは乃木坂46に入り成長したイメージです。寒そうなワンピースの季節感のなさは、芸能界の非日常性を表しているものと捉えることができます。

 次に、中盤にある、黒いドレスに身を包み、ガッツリと濃いメイクをした生駒ちゃんと、白い制服に身を包み、自然体であどけなさの残る生駒ちゃんとの見開きでの対比も、また印象的です。もちろん黒ドレスが芸能人としての「生駒里奈」、白制服が芸能人になる以前の生駒里奈です。

 ところで、こちらも生駒ちゃんの人生において非芸能界の象徴であろう学校というものは、この写真集の中ではどのような意義が与えられているのでしょうか。

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 私がこの写真集をみて気になったのは、他者の存在の痕跡が徹底的に排除されている、ということでした。写真集全体を通して、生駒ちゃん以外の人物がまるで写り込まない。遠景にボヤけた影すらも見えない。このことが強烈な印象を与えるのは、違和感のせいでしょうか。教室、校庭、体育館。本来ならば学生たちで溢れているはずの場所。そんな場所に、人が存在しない。生駒ちゃんだけが、ただ一人存在している。生駒ちゃん個人にフォーカスを当てれば、どのシーンもありふれた日常的な光景なのに、周りに人の影がまるで存在しないことで、途端に非日常性を帯びます。

 もちろん、周りに学生がいたら撮影にならないだとか、生駒ちゃんという被写体を美しく見せるための障害を除いたとか、そんなような理由で生駒ちゃん以外の人が存在しないというのが真実であるかもしれません。しかしながら、私にはそれ以上の何かを感じさせたのです。

 学校という舞台は、生駒ちゃんの学生時代を彷彿させます。しかし、生駒ちゃんと、彼女のプライベートな学生生活というものはあまりうまく結びつきません。なぜなら、彼女自身がそこに触れるのを避けていたから。それは、乃木坂46のドキュメンタリー映画の中でも語られていた過去の苦しい記憶があるからでしょうか。自分はスクールカーストの底辺にいた、と回想する生駒ちゃんにとって、学校という舞台が意味するものを考えたとき、この写真集の中でそこに人の影が見えないのは、もしかしたら、ある種の記憶の美化あるいは過去からの逃避なのではないか、とそんなことを感じました。ここに見て取れる暗い一面は、彼女にとって負の側面であると同時に、危うげで不思議な、彼女のもつ魔性の魅力でもあります。すなわち、彼女の陰の部分が、アイドル「生駒里奈」の独特の魅力を形成するのに役立っているということを、改めて思い知るわけです。
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 生駒里奈ファースト写真集「君の足跡」はそういうわけで、生駒里奈の魅力が存分に詰まった作品です。ぜひご購入を。


桜井玲香とキャプテン

 乃木坂46のキャプテン、桜井玲香。彼女が築き上げてきた独自のキャプテン像とは一体どんなものなのか、そして桜井玲香という人物の魅力はどこにあるのか。この記事では、過去のテレビ、ラジオ、雑誌、ブログにおける本人や周囲の発言などを振り返りつつ、1人のファンの目線を通じて「キャプテン桜井玲香」に迫りたいと思います。

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目次
1.キャプテン誕生
2.ヘタレのポンコツ
3.玲香らしさとは
4.乃木坂46の象徴
5.調整型のキャプテン
6.グループのとらえ方
7.個の輝き

1.キャプテン誕生
 2011年8月21日、AKB48の公式ライバルとして結成された乃木坂46に暫定キャプテンが誕生したのは、2012年、デビューシングル「ぐるぐるカーテン」のリリース前のことでした。選ばれたのは、桜井玲香。最年長でも、率先して周りを引っ張る性格でもない桜井。当時のブログで、まだ結成して間もないグループの人間関係の中で、キャプテンという役職が決められてしまうことへの不安を述べています。

「キャプテン」って、つくるモノじゃなくて、自然とグループ内で確立していくモノだと思うんです。
一緒に沢山の時間を共有することで、自然と生まれる「チームワーク」があり、気づいたらチームをまとめる人間がいて「キャプテン」という役職が当てられる。
そういった自然な流れの中で生まれるモノを無理矢理決めてしまう事に少し不安があります。
チームがまとまるのか不安。
何か言って、メンバーにどう思われるのか?と考えるだけで不安。
嫌われるんじゃないか不安。(2012/0207Tue桜井玲香ブログ*captain*reika)
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 「チームがまとまるのか不安」

 このときから、桜井玲香はキャプテンとしてのあり方を模索し始めるのです。乃木坂46というグループにふさわしいキャプテン像とは、なにか。自分には一体なにができるのか。


2.ヘタレのポンコツ
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 3rdシングル「走れ!Bicycle」で正式にキャプテンに就任した桜井は、一般的なキャプテン像、すなわち、AKBグループ総監督の高橋みなみのような引っ張るリーダータイプと、自らのタイプとの違いに悩むようになります。

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ー桜井さんのコンプレックスは?
桜井「自分の性格と役職が噛み合わないことですかね(笑)。けっこうゆるい性格なので、そこを指摘されてしまうと困ってしまって。」(雑誌OVERTURE 001号より)
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 桜井玲香といえば、ポンコツ。新曲初披露の時にタイトルを間違える、ラジオで番宣を忘れる、言い間違いをする、ボーっとしていて気づけば1人取り残される、どこでもすぐに寝てしまう、全国ツアー中に新幹線のチケットを2度も失くす、などなどポンコツエピソードは枚挙にいとまがありません。

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 さらに、その甘い声のトーンや、ヘラヘラとした感じ、メンバーからイジられるキャラであることから、キャプテンとしての威厳に欠けると言われることもあります。

 乃木坂って、どこ?#90では、メンバーの井上小百合伊藤万理華から痛い指摘を受けてしまいます。
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 ヘタレのポンコツ、桜井玲香。自分はキャプテンとして相応しくないのではないか。葛藤を通じて、桜井は、独自のキャプテン像、玲香らしいキャプテン像というものを築き上げていくことになります。

3.玲香らしさとは
 NOGIBINGO!5最終回で、桜井は母親からこんな手紙をもらっています。

今の玲香を見てあなたはキャプテンという役目があるけれども、それがやはりすごく簡単な事ではないのね。
“引っ張っていくキャプテン”というのは玲香の性格上、絶対無理だというのは、わかってる。
4年間通してすごくキャプテンのあり方について悩んで、一緒に泣いた事もいっぱいあったけれども、でも今4年間通して玲香が築き上げているキャプテン像っていうのは、あなたならではの独自のキャプテンだから私は素晴らしいと思うし、本当に強くなったなっていうのは感じてる。
 玲香ならではの独自のキャプテン、とは一体どんなものなのでしょうか。

 桜井は、自分の性格や能力、そして乃木坂46というグループの色を見て、引っ張るタイプのキャプテンではなく、独自のキャプテン像を作ることを選択します。
ーキャプテンとしての仕事っていうのは、具体的に言うとどういうことなの?
桜井「本当はまとめたりするんでしょうけど、私はそうじゃなかったので(笑)」(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
  そこには、不安もあったのでしょう。
桜井「最初は、やっぱり悩みましたね。キャプテンっていうと、たかみなさんのイメージが世間的にも強いので、そういう風にならなきゃいけないのかなって思っていて。でも、私はとてもそういうキャラではないので、どうしたらいいのか本当にわかりませんでしたから。(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
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4.乃木坂46の象徴
 そもそも、なぜ運営は桜井玲香を暫定キャプテンに任命したのでしょうか。運営は桜井玲香をどのようにとらえているのでしょうか。

 乃木坂46運営委員会委員長の今野義雄氏は、映画「悲しみの忘れ方」コンプリートboxの付録ブックレットの中で、桜井と対談し、こんなことを言っています。
今野「僕はね、乃木坂46らしさ=桜井玲香だなとも思っていたりするんだよ(笑)。」(「悲しみの忘れ方」コンプリートBOX付録ブックレットより)
 文化系で、おしとやか。清楚で品があって、礼儀正しい。謙虚で、物静か。そうした乃木坂46のイメージは、桜井玲香そのものです。
桜井「なんとなく桜井の雰囲気が乃木坂の雰囲気づくりのきっかけになったっていうようなことは言ってもらいました」
ーああ!乃木坂46のイメージって、優しくて、女の子らしくて、上品っていう感じだと思うんだけど、それって玲香ちゃんだもんね。
桜井「(前略)桜井が第一声でしゃべってくれると、その空気感が乃木坂らしさをつくる。だから、自信をもってやってくれって初めの頃に言ってもらえたので」(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
 乃木坂46の象徴、桜井玲香。その雰囲気が、その言葉が乃木坂らしさを作る。自らの存在が、自らの行動が、自らのキャプテンが、乃木坂らしさを形成する。そうした期待を背に、桜井が辿り着いたのは、調整型のキャプテンという道でした。

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5.調整型のキャプテン
 桜井「結局いないんですよね、たかみなさんみたいなタイプが乃木坂には(笑)。でも、たかみなさんがキャプテンだと、乃木坂の雰囲気には合わない気がする。引っ張っていく子も大事だけど、それ以上に、それぞれが思っていることを否定せずに聞いてくれる人が乃木坂の場合は必要だと思うんです」(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
 桜井は、仲間を引っ張るのではなく、時には仲間を頼りつつ、共に歩くことを選びます。なぜなら、それが桜井玲香の得意とするところであり、乃木坂46というグループが求めていることだからです。仲間が辛いときに支える、仲間の活躍を応援する、仲間同士の衝突の間に入る。それが、桜井玲香らしいキャプテン像でした。

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桜井は、冷静で視野が広い人間です。だからこそ、グループの現状を正しく把握し、乃木坂46のために、仲間のために行動できる。

桜井は賢くて、器の大きい優しい人間です。だからこそ、時に己の無力を認め、仲間を頼ることができる。

桜井「最近は人それぞれに得意分野みたいなのがあるんだなってわかるようになってきたんですね。(中略)AKBのリハーサルの雰囲気や本番前の準備の過程は本当に厳しいらしくて、『乃木坂ももっと見習わなきゃダメだ!』って(中略)。それは本来は私が言わなきゃいけないことなんでしょうけど、やっぱり実際に外で見てきて経験してないと気づけないことじゃないですか?そういう意味では、乃木坂以外を知らない私が言うより生駒が言ったほうが説得力があってメンバーに響くんじゃないかなって思ったんです。(中略)それに最近は、これもやったほうが良いねってことでライブ前に発声練習を積極的にやるようになったんですけど、その音頭を取ってくれる子も、また別にいるんですよ。そうやって、みんながそれぞれの得意なことに対して、じゃあ、私これやる!って行動してくれるので、それなら任せたほうがスムーズにいくかなって思ってるんです」
桜井「(前略)それぞれがいろんな意見を言うようになってきたんですよ。(中略)それは良いことなんですけど、その代わり、きっと衝突することも出てくるはず。それをうまくまとめられる役割を私ができれば良いなって思ってます。メンバーが安心して自分の思いを伝えられる空気感をつくっていく。私は、それに専念するのが良いのかなって思ってますね」
桜井「(前略)やっぱりみんなの意見を聞いていると、私が気づかなかった部分に気づいていたり、全然違う視点からの捉え方をしている子がたくさんいるんですね。だったら、私が一人で『こうだから!』って言うんじゃなく、みんなに言ってもらったほうが良い気がする。そして、それを聞きつつ、なんとなく最終的に私がまとめる方向にもっていったほうが、メンバーの個性も死ななくて良いのかなって思うんですよ」
桜井「(前略)私自身もキャリアが浅すぎて、アドバイスをしてあげられるような立場じゃないんですよ。みんなと同じ経験しかしてないから一緒に悩んじゃう。(中略)だから、今の私ができるキャプテンとしての唯一の仕事は、みんなの意見を聞いて、メンバーの総意をスタッフさんに伝えることと、雰囲気を良くしようって思うことくらいなんです」
桜井「私は選抜に入っていて、しかもキャプテンなのに、まだまだ気づかないことが多いんですよ。周りから、ここはこうすべきなんじゃない?って指摘されて、初めて、確かに!って思ったりする。本当に経験値が足りないんだなって思います」(以上、雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
桜井「(前略)私が率先して引っ張るというわけではありませんでした。各自がスタッフさんに気づいた点を伝えてくれたり、メンバー同士でやるべきことを確認し合ったりしていたから、自然と団結力が生まれて、流れとしてとてもよかったなと思います。」
今野「とはいえ、キャプテンとして桜井は桜井で動いていた。それが桜井の理想のキャプテン像じゃないのかな。今年の桜井は輝いて見えたよ。落ち込んでいたメンバーをフォローしていた姿だってちゃんと見ていたよ。」
桜井「いえいえ……。私としては、メンバー各自が積極的に動いて、私はその手助けをするのが理想かなと思っています。」(「悲しみの忘れ方」コンプリートBOX付録ブックレットより)

 みんなの話を聞く。相談に乗る。側で見守る。支えとなる。そんな桜井の行動に救われたメンバーがたくさんいます。

れいかさんを見ると安心します!
8thのイベントで
北海道にななみさんとれいかさんと
行かせてもらえた時に
飛行機の中で相談にのって頂いて
それからは、れいかさんを見ると
なんだか安心しちゃうんです♪(2014/0930Tue北野日奈子ブログ花言葉より)

玲香は昨日2幕の間ずーっと励ましてくれてて
一緒にがんばろうって言ってくれて
そしたら今日 本役選ばれて!(2014/0607Sat中元日芽香ブログひめたん-OoO-その449より)

でもねぇ、しっかりものなのぉ〜メンバーのことちゃんと考えてくれてて、、、
 
相談にも乗ってくれて、信頼されてるキャプテン
 
いつも皆のこと考えてくれてありがとう(2013/0805Mon和田まあやブログ綺麗な夜景とか見たい!いいとこ ありますかぁ?(*´∇`*)より)

Q12 乃木坂46に入っていちばん泣いたことは?
斎藤ちはる「9枚目シングルの選抜に呼ばれず、(桜井)玲香になぐさめてもらっているとき」(映画「悲しみの忘れ方」パンフレットより)

秋元真夏「初めてのジャケット撮影で私は玲香とペアだったのですが、あまりに緊張して大泣きしたのをすごく覚えています。大泣きしながら外に走りに行った私を玲香がずっとなぐさめてくれました」(雑誌MdN2015年4月号より)

中田花奈「(前略)半年くらい前に、私がレッスン終わりに急に泣き出して、話を聞いてもらったことがあったけど玲香の前だと安心して感情を全部出せちゃいます。」(NOGIROOMでの手紙より)
 桜井の親友、若月佑美もまた、桜井の存在に救われた一人です。NOGIBINGO!2の最終回では、アイドルをやめようか悩んでいた若月を桜井が支えてあげられなかったと思っていたのとは裏腹に、話を聞いてくれたことで救われたと若月は感謝します。

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生駒里奈「玲香は、いつも私が色んな事を考えてちょっといっぱいいっぱいになってしまう時に気づいて“落ち着いて、楽に考えな”って言ってくれます。この前もあったけど、特に私が兼任をしている時に色んな事を玲香に相談して、ひとり焦ったりして冷静さを失う事が沢山あったね。でも、その都度「ひとりで抱え込んじゃダメだよ、生駒は生駒らしくしてればいいんだよ。」って言ってくれて、それがすごく安心して。」(NOGIROOMでの手紙より)
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 キャプテン桜井による雰囲気づくりは乃木坂というグループの飛躍に欠かせませんでした。桜井がいることで、安心して挑戦していける。仲間の前を行くのではなく、共に歩き、支える。まさに、「玲香らしいキャプテン像」に辿り着いたのです。そんなキャプテン桜井は、仲間からの信頼も得ています。

松村「玲香ちゃんキャプテンっぽいなと思う。向いてるって言ったら失礼なのかもしれないけど、みんなにあんまり引っ張れてないとかイジられてるけどさ、実はすごい包容力あるなって思うし、なんか相談しやすい雰囲気もってるし、玲香でよかったって思うよ」
橋本奈々未「周りをちゃんと見てあげる余裕があるから、しっかりしてるなーって思う」(以上NOGIROOMより)
 
 乃木坂46というさまざまな個性の集まったグループで、ひとりひとりのメンバーがそれぞれのフィールドで自由に活躍している今の状況の背景には、仲間の個性を生かし、サポートしようとするキャプテン桜井玲香の存在があったに違いありません。

6.グループのとらえ方
 桜井は、とても謙虚です。あまり自分を出そうとしない。周りの意見を尊重できる人間です。しかし、決して節操なく付和雷同する人間ではありません。きちんと、自分の意見も持っていて、要所要所で、的確なコメントのできる人間です。
桜井「グループ単位で考えている時は冷静でいたいんです」
桜井「冷静さが一番大事だと思っているんです」(季刊乃木坂vol.1早春より)

 桜井の冷静さと広い視野はグループに欠かせません。

Q5アナタだけが知ってるあのメンバーのいいところ
生駒里奈桜井玲香。いちばん広い視野で乃木坂46を見られる人。」(映画「悲しみの忘れ方」パンフレットより)

今野「桜井はそういうところがあるよね。核心をついた言葉を吐いてるのに、自分じゃ気づいていないっていう。ぽんこつキャプテンって言われているけど、本当は乃木坂46のことがちゃんとわかっていると思うよ。」
今野「僕はいつも桜井の『グループのとらえ方』をチェックしている。どこに出しても桜井はちゃんと言葉を残してくれるっていう安心感があるし、メンバーも『キャプテン、頼む!』って心の中では思っているから」(「悲しみの忘れ方」コンプリートBOX付録ブックレットより)
  桜井はグループの変化や、グループの置かれた状況を正しく見る目を持っています。7枚目シングルの選抜発表は、まさに事件でした。入ったばかりの2期生、堀未央奈がセンターに抜擢されます。メンバーやファンが混乱する中、ブログにこんなことを綴っています。

そして16+1の新体制。
 
きっとメンバーの中にも
ファンの皆さんの中にも
スタッフさんの中でさえも
 
考えてる事や思っている事は様々あるし気持ちがはっきりしないのは当たり前だと思うんです。
 
だってきっと、人一倍乃木坂の事を考えてる人なら1期の気持ちもわかるだろうし、突然呼ばれた未央奈の気持ちもわかるだろうから。
 
昔からそうだけど、何か本当の意味での変革がある時は賛否両論様々な考え、意見が飛び交い不安定になるもの。
 
 
何が正解かなんて誰にもわかんないし
 
 
だったら取り敢えず、今を頑張るしかないです。
その答えは間違っている!てワーワー喚くだけで、別の考えを聞こうともせず受け入れ拒否する。そんなんじゃ、何の解決もしない上に、状況も変わんない。
それではいつまで経っても成長なんて出来ないよな...と。
(中略)
 取り敢えず、未央奈!
未央奈は周りが言う様に、びっくりするくらいの透明感と純粋さがあります。
それは乃木坂にとっては凄く大切な要素だと私は考えます。
私たちは未央奈の持つ魅力から新たなものを吸収していきたいと思ってます。
 
その代わりと言っては変だけど、
何も分からず不安を感じているであろう未央奈のことは、私たちが全力でサポートするよ!
 
一応先輩、そしてキャプテンという立場の人間ではありますが...
メンバーには頼りないポンコツとよく言われているので、全然改まらず気軽に話し掛けて欲しいなっ!
そして遠慮なく頼ってきてね!(2013/1009Wed桜井玲香ブログ*2013.10.9*より)
 メンバーの不祥事、卒業。生駒里奈AKB48と兼任することになったことや、2014年の紅白の落選。乃木坂46に立ちはだかる壁はこれまでいくつもありました。そしてこれからも沢山あるでしょう。しかし、桜井のスタンスの基本は恐らく、この7枚目の選抜発表後のブログと変わらないはずです。変化をしっかりと見定める。そして柔軟に、前向きに持っていく。急成長するグループは、まわりの変化が速く激しく、時に自分たちを見失いがちですが、こうして冷静に柔軟に対応できる桜井は、まさにキャプテンとして軸となっています。

 桜井「絶対、皆さんを後悔させないグループになります!どこにも負けないグループになります!乃木坂のことを愛し続けてください!」

 冷静に動きつつも、常にグループに対して情熱的に愛情をもって向き合ってきた桜井。そんな彼女が、今年の夏の全国ツアー千秋楽公演、ダブルアンコールの後に発した言葉は、みんなと共に歩くキャプテン像を目指した者ならではの力強いものでした。

7.個の輝き
 乃木坂46というホームがあって、一人一人のメンバーがそれぞれのフィールドで活躍する。お互いがお互いに良い刺激を与え、グループとして成長していく。そこではもちろん、桜井玲香も例外ではありません。彼女の個の輝きが、また他のメンバーの希望となります。

ーメンバー個人個人がさまざまなフィールドで活躍することもグループの知名度アップにつながりますよね。
桜井「そうですね。あと、『アイドル』の部分を抜いたとしても別の世界で通用する本格派というか……。」
乃木坂46だからやらせてもらえているみたいなことじゃなくて。
桜井「そういうふうに認めてもらえるメンバーが増えることが、のちのちの結果につながっていくと思います。だから、メンバーがそれぞれ自分でマトを絞って、本物を極めることが大事なのかなって。」(雑誌BRODY vol.03より)
 桜井の夢は女優です。そして、今年は確実にその夢の実現に向かって歩を進めました。いや、正確には、桜井はもう立派に女優です。そして、より高みへと進んでいる。「アイドルだから」というバイアスを壊したい、と本人が望む通り、ミュージカル「リボンの騎士」を見た乃木坂46のファン以外の多くの人たちがそのパフォーマンス(歌や演技)の質の高さに感心している様がTwitterでも多く見受けられました。

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 2016年はどんな演技を見せてくれるのか、楽しみです。

 桜井は映画「悲しみの忘れ方」のパンフレットの中で、乃木坂46の大好きなところ、嫌いなところを聞かれて次のように答えています。
桜井「年齢のわりに落ち着いていて控えめで、素朴なところが心地よいけど、控えめゆえにナイーブすぎるところが弱点」
 これは、桜井の乃木坂46に対する評価であると同時に、自分自身に対する評価なのではないか、と思います。
 
 2016年、桜井玲香が殻を破り、アイドルとして女優としてさらなる飛躍をすること、そして乃木坂46が強く正しく成長することを願っています。

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