生田絵梨花と素顔

 生田絵梨花は天才と呼ばれることの多い人です。しかし、天才という言葉は、しばしば実態を隠して見えなくしてしまいます。ときには対象の努力をないがしろにする言葉であり、さらに言えば、その歩んできた道程までをも軽んじる言葉かもしれません。今回は、生田絵梨花という1人の人間から「天才」というレッテルを剥がしたときに見えてくる、彼女の人間味と真の魅力に迫ります。

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天才と呼ばれる少女
 歌、ダンス、演技。パフォーマンスはどれを取ってもグループのトップクラス。すでに2つのミュージカルで主演を務め、テレビドラマや映画にも出演するなど評価も高い。特技のピアノは、もはやグループの“らしさ”となり、ライブや音楽番組で演奏を担当することもしばしば。頭が良く、真面目なコメントもキマるが、一方では、壊滅的な料理のできなさ、絵の下手さ、天然ぶりでバラエティ番組でもひときわ存在感を発揮する…。そんな生田絵梨花はファンの間のみならず、メンバーからの評価も非常に高いです。

『生ちゃんって完璧なのに、なんでセンターになれないんだろう』『もっと才能が伝わればいいのにな』って思い続けていたんです。(乃木坂46物語)
完璧な太陽(乃木坂46物語)
スペックの高さと、表舞台での圧倒的な強さ。それが生田絵梨花が天才とされる所以でしょう。

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努力する凡人
 しかし、生田絵梨花は決して才能だけで上述したようなパフォーマンスに至る本当の「天才」ではありませんでした。彼女自身は冷静に客観的に己の実力を見定めています。
ものすごくきれいな女優さんや、お芝居も上手でスタイルもいい人はたくさんいるので、単純に「絶対に敵わないな……」って思います。むしろ「申し訳ありません!」みたいな気持ちが芽生えちゃうんですよ。ピアノもそうですし、歌もアイドルとしては「いいね」とは言ってもらえるけど、舞台俳優さんの中に混じったら、別になんてことないと思うので。本当になんてことない平凡な女ですよ。 (ブブカ2016年2月号)
  芸能界という才能ある人たちが集まる世界においては、生田絵梨花は確かに「平凡な女」なのかもしれません。
乃木坂46」っていう看板を外してやっていくには、まだまだ実力不足なんだろうなとは思います。今は乃木坂に守られているからいろいろ外でやらせてもらえるけど、私はそこに値する人間じゃないっていうのはいつも感じていて……。(ブブカ2016年2月号)
 上には上がいる。そしてその人たちと戦う世界に夢がある。だからこそ、彼女は自分を奮い立たせて、努力しつづけます。

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 生田絵梨花を見ていると、「がんばる」という言葉の重みを感じます。忍耐して、努力し通すこと。彼女の頑張りに私はいつも刺激を受けます。

桜井「あんなに自分ルールを完璧に守り抜いている人にはなかなか出会えない。」
若月「一瞬たりとも時間をムダにしない生き方がすごい!」(映画「悲しみの忘れ方」パンフレット)
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仮面の下の素顔
  しかし、ここまで努力する生田絵梨花の原動力は一体なんでしょうか。私は、ひとえに彼女の負けん気の強さによると思います。生田絵梨花の第一印象は、清楚でおしとやか。上品でおとなしく、感情を表に出すことは少ない。実際、彼女のインタビューでの受け応えや、公式の場での仕草、真面目なコメントなどを見ていても、言葉遣いはきちんとしていて、感情的になることもありません。しかし、これは理性で抑えられた姿、いわば仮面をつけた姿でした。実際の彼女は実に感情豊かな人です。人一倍負けず嫌いで、頑固で、ワガママな人です。そうした仮面の下の素顔を垣間見るとき、私は一層彼女に惹かれます。悔しさを露わにして泣いているとき、嬉しくて大笑いしてるとき。ともすると、幼稚に見られがちなそれらの仕草や言動ですが、そういった部分にこそ私は生田絵梨花のパワーを見出しています。

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 結局、私が好きなのは、生田絵梨花の貪欲な向上心と、人間臭い部分なのです。彼女が天才で、才能だけでなんでもできてしまうような人だったならば、これほど惹かれることはなかったかもしれません。しかし、実際の生田絵梨花は泥臭く努力し続けるような人でした。天才というレッテルを貼られ、高く上げられたハードルに苦しみながら、それでもそれを越えようとがむしゃらに頑張る人でした。天才ゆえに冷血な人ではなく、血の通った熱い人でした。優しさと悔しさと楽しさと寂しさと嬉しさと悲しさと…あらゆる感情にまみれた人でした。

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 生田絵梨花が仮面の下の素顔を解き放つとき、彼女はより魅力的な人になるでしょう。2015年は彼女の内面的な飛躍に向けた良い準備期間だったのではないでしょうか。

 今年はちょっと、心が自由になった1年だったなと思います。きっかけは…春から大学生になって、自分でも「変わりたいな」と思うようになったこともそうですし、何も考えないわけではないんですけど、自分の本能のままに動くほうが、いい方向に進むんじゃないかと思うようになって。
(中略)
私は遠慮しがちですが、せっかく自分のことを知ってもらえる環境にあるので、自分をさらけ出していけたらなって。積極的に行動する私が苦手だと思う人もいるかもしれないけど、「好きだ」と言ってくらる方もいるかもしれないので、恐れず、自由にやりたいです。(日経エンタテイメント!アイドルSpecial2016)
 2016年、生田絵梨花が「転調」して、仮面の下の素顔を「さらけ出」すのが楽しみです。「天才」「清楚」「お嬢様」あらゆる“呪縛”から解き放たれた生田絵梨花の天真爛漫な笑顔と飛躍を、私は見たいです。

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伊藤万理華と個性

 2015年、乃木坂46は数え切れないほど多くの雑誌に取り上げられましたが、その中でも、とびきり異色の活躍を見せたメンバーがいました。伊藤万理華です。デザイン雑誌月刊MdNでの連載開始。それは、週刊誌のグラビアなどと違い、乃木坂46というアイドルブランドとは独立した、伊藤万理華という個性の活躍の象徴でした。振り返れば、2015年はこのMdNに限らず、伊藤万理華の個性が大きく仕事に結びついた年であったと感じます。今回の記事では、「個性」と「表現者」という2つのテーマで、私の考える伊藤万理華の魅力を描きたいと思います。

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個性
 私がこのブログで伊藤万理華について書こうと思い立ったとき、真っ先に「個性」というテーマで書こうと決めました。それは、私にとって伊藤万理華が個性的な人間の象徴だからです。確かに、他の乃木坂46のメンバーも皆それぞれ個性豊かです。しかし、不思議なことに、私の中では伊藤万理華の名前が浮かんでくるのです。なぜでしょうか。

 雑誌OVERTURE No.002の個人特集で伊藤万理華はこんなことを言っています。
お母さんに内緒で、まわりの子が着るような服を買いに行ったこともあったんですけど、結局は後悔しました。その時の流行りで買った服なので、1年くらい経つと「やっぱり買わなきゃよかったな」と思ってしまうようなモノばかりだったんですよ。
 そんなことが何度も続いて自覚したんです。流行に走るのは自分らしくないなって。(中略)
 それからは人と違うことを気にしないようになりました。
 この発言の根底にある「人と違う自分らしさ」という意識は彼女の言動に一貫しているのではないでしょうか。「普通」じゃないこと、他人とは違うこと、自分だけのものを打ち出すこと。伊藤万理華らしさ、を表現すること。伊藤万理華は個性の人間なのです。

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 私が伊藤万理華のこの意識を最も強く感じるのが、彼女のファッションです。私は伊藤万理華の服装が好きです。それは、彼女の服装が他の誰とも違う無二のものだから。彼女の服装は、彼女の内面を、個性を外に表情する武器として機能していると感じるから。日本が世界に誇るファッションデザイナー山本耀司さん(ちなみに伊藤万理華本人もブーツなど彼のブランドのものを愛用しています)はこんなことをおっしゃっています。
 ファッションは本来、いかに個性的であるか、自分自身であるかという、いわば精神活動に利用してもらうものー山本耀司
  服装というと、一般的にあまり重く受け止められないことが多いですが、私は伊藤万理華を語る上で避けられない切り口だと思います。それは彼女の場合、ファッションが単なる上辺のオシャレではなく、山本耀司さんの言うように、「いかに個性的であるか、自分自身であるかという、いわば精神活動に利用」されていると感じるからです。

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 好きなものを好きと言う。自分らしさを貪欲に追い求める。伊藤万理華のブログや、雑誌でのインタビューなどを読んでいると、彼女が好奇心と挑戦心にあふれた人間であることがわかります。それが彼女の個性を花開かせる原動力なのではないでしょうか。


 そんな彼女の個性と豊かな才能は、ファッションに留まらず多方面で真価を発揮しています。たとえば、冒頭にも述べた月刊MdNの連載は、クリエイションに興味関心を寄せる伊藤万理華の熱意と才能が引き寄せたものであると思います。

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 しかし、そうしたものの中でも、私は表現者としての伊藤万理華に強く惹かれます。伊藤万理華は美意識の高い人間です。美的なものに対する感覚、センスが抜群です。だから、自分がどう見られるか、見ている人の目にどう映るかということへの理解力が高い。ライブでパフォーマンスをする彼女にはよく目を奪われます。

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 そして彼女の表現者としての才が最も色濃く表れているのが演技だと思います。

 私が伊藤万理華の演技に心を奪われたのは、彼女が今年初主演した映画「アイズ」を観たときです(まだ観たことがない人はレンタルもできるので、是非観ることをオススメします)。それまでも、1stシングル「ぐるぐるカーテン」の特典として収録された柳沢翔監督による個人PVの「ナイフ」(参考URL: http://youtu.be/-_VAucMOr04 )などを観て、彼女の演技には惹かれていましたが、この映画でその虜になりました。「アイズ」で私が特に感心したのが、彼女の泣く演技です。感情が高ぶって泣く。悲しみ、恐れ、怒り。気持ちと表情のリンクは見事で、女優伊藤万理華の才能を感じたのです。

 伊藤万理華の演技、とりわけ、目の演技はすばらしい。言葉のいらない、語る目を持っている人です。雰囲気のある人です。

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 個性の表現者伊藤万理華。2016年も、伊藤万理華が“らしさ”を発揮し、「好き」を追求していくのを見守りたいと思います。

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桜井玲香とキャプテン

 乃木坂46のキャプテン、桜井玲香。彼女が築き上げてきた独自のキャプテン像とは一体どんなものなのか、そして桜井玲香という人物の魅力はどこにあるのか。この記事では、過去のテレビ、ラジオ、雑誌、ブログにおける本人や周囲の発言などを振り返りつつ、1人のファンの目線を通じて「キャプテン桜井玲香」に迫りたいと思います。

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目次
1.キャプテン誕生
2.ヘタレのポンコツ
3.玲香らしさとは
4.乃木坂46の象徴
5.調整型のキャプテン
6.グループのとらえ方
7.個の輝き

1.キャプテン誕生
 2011年8月21日、AKB48の公式ライバルとして結成された乃木坂46に暫定キャプテンが誕生したのは、2012年、デビューシングル「ぐるぐるカーテン」のリリース前のことでした。選ばれたのは、桜井玲香。最年長でも、率先して周りを引っ張る性格でもない桜井。当時のブログで、まだ結成して間もないグループの人間関係の中で、キャプテンという役職が決められてしまうことへの不安を述べています。

「キャプテン」って、つくるモノじゃなくて、自然とグループ内で確立していくモノだと思うんです。
一緒に沢山の時間を共有することで、自然と生まれる「チームワーク」があり、気づいたらチームをまとめる人間がいて「キャプテン」という役職が当てられる。
そういった自然な流れの中で生まれるモノを無理矢理決めてしまう事に少し不安があります。
チームがまとまるのか不安。
何か言って、メンバーにどう思われるのか?と考えるだけで不安。
嫌われるんじゃないか不安。(2012/0207Tue桜井玲香ブログ*captain*reika)
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 「チームがまとまるのか不安」

 このときから、桜井玲香はキャプテンとしてのあり方を模索し始めるのです。乃木坂46というグループにふさわしいキャプテン像とは、なにか。自分には一体なにができるのか。


2.ヘタレのポンコツ
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 3rdシングル「走れ!Bicycle」で正式にキャプテンに就任した桜井は、一般的なキャプテン像、すなわち、AKBグループ総監督の高橋みなみのような引っ張るリーダータイプと、自らのタイプとの違いに悩むようになります。

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ー桜井さんのコンプレックスは?
桜井「自分の性格と役職が噛み合わないことですかね(笑)。けっこうゆるい性格なので、そこを指摘されてしまうと困ってしまって。」(雑誌OVERTURE 001号より)
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 桜井玲香といえば、ポンコツ。新曲初披露の時にタイトルを間違える、ラジオで番宣を忘れる、言い間違いをする、ボーっとしていて気づけば1人取り残される、どこでもすぐに寝てしまう、全国ツアー中に新幹線のチケットを2度も失くす、などなどポンコツエピソードは枚挙にいとまがありません。

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 さらに、その甘い声のトーンや、ヘラヘラとした感じ、メンバーからイジられるキャラであることから、キャプテンとしての威厳に欠けると言われることもあります。

 乃木坂って、どこ?#90では、メンバーの井上小百合伊藤万理華から痛い指摘を受けてしまいます。
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 ヘタレのポンコツ、桜井玲香。自分はキャプテンとして相応しくないのではないか。葛藤を通じて、桜井は、独自のキャプテン像、玲香らしいキャプテン像というものを築き上げていくことになります。

3.玲香らしさとは
 NOGIBINGO!5最終回で、桜井は母親からこんな手紙をもらっています。

今の玲香を見てあなたはキャプテンという役目があるけれども、それがやはりすごく簡単な事ではないのね。
“引っ張っていくキャプテン”というのは玲香の性格上、絶対無理だというのは、わかってる。
4年間通してすごくキャプテンのあり方について悩んで、一緒に泣いた事もいっぱいあったけれども、でも今4年間通して玲香が築き上げているキャプテン像っていうのは、あなたならではの独自のキャプテンだから私は素晴らしいと思うし、本当に強くなったなっていうのは感じてる。
 玲香ならではの独自のキャプテン、とは一体どんなものなのでしょうか。

 桜井は、自分の性格や能力、そして乃木坂46というグループの色を見て、引っ張るタイプのキャプテンではなく、独自のキャプテン像を作ることを選択します。
ーキャプテンとしての仕事っていうのは、具体的に言うとどういうことなの?
桜井「本当はまとめたりするんでしょうけど、私はそうじゃなかったので(笑)」(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
  そこには、不安もあったのでしょう。
桜井「最初は、やっぱり悩みましたね。キャプテンっていうと、たかみなさんのイメージが世間的にも強いので、そういう風にならなきゃいけないのかなって思っていて。でも、私はとてもそういうキャラではないので、どうしたらいいのか本当にわかりませんでしたから。(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
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4.乃木坂46の象徴
 そもそも、なぜ運営は桜井玲香を暫定キャプテンに任命したのでしょうか。運営は桜井玲香をどのようにとらえているのでしょうか。

 乃木坂46運営委員会委員長の今野義雄氏は、映画「悲しみの忘れ方」コンプリートboxの付録ブックレットの中で、桜井と対談し、こんなことを言っています。
今野「僕はね、乃木坂46らしさ=桜井玲香だなとも思っていたりするんだよ(笑)。」(「悲しみの忘れ方」コンプリートBOX付録ブックレットより)
 文化系で、おしとやか。清楚で品があって、礼儀正しい。謙虚で、物静か。そうした乃木坂46のイメージは、桜井玲香そのものです。
桜井「なんとなく桜井の雰囲気が乃木坂の雰囲気づくりのきっかけになったっていうようなことは言ってもらいました」
ーああ!乃木坂46のイメージって、優しくて、女の子らしくて、上品っていう感じだと思うんだけど、それって玲香ちゃんだもんね。
桜井「(前略)桜井が第一声でしゃべってくれると、その空気感が乃木坂らしさをつくる。だから、自信をもってやってくれって初めの頃に言ってもらえたので」(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
 乃木坂46の象徴、桜井玲香。その雰囲気が、その言葉が乃木坂らしさを作る。自らの存在が、自らの行動が、自らのキャプテンが、乃木坂らしさを形成する。そうした期待を背に、桜井が辿り着いたのは、調整型のキャプテンという道でした。

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5.調整型のキャプテン
 桜井「結局いないんですよね、たかみなさんみたいなタイプが乃木坂には(笑)。でも、たかみなさんがキャプテンだと、乃木坂の雰囲気には合わない気がする。引っ張っていく子も大事だけど、それ以上に、それぞれが思っていることを否定せずに聞いてくれる人が乃木坂の場合は必要だと思うんです」(雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
 桜井は、仲間を引っ張るのではなく、時には仲間を頼りつつ、共に歩くことを選びます。なぜなら、それが桜井玲香の得意とするところであり、乃木坂46というグループが求めていることだからです。仲間が辛いときに支える、仲間の活躍を応援する、仲間同士の衝突の間に入る。それが、桜井玲香らしいキャプテン像でした。

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桜井は、冷静で視野が広い人間です。だからこそ、グループの現状を正しく把握し、乃木坂46のために、仲間のために行動できる。

桜井は賢くて、器の大きい優しい人間です。だからこそ、時に己の無力を認め、仲間を頼ることができる。

桜井「最近は人それぞれに得意分野みたいなのがあるんだなってわかるようになってきたんですね。(中略)AKBのリハーサルの雰囲気や本番前の準備の過程は本当に厳しいらしくて、『乃木坂ももっと見習わなきゃダメだ!』って(中略)。それは本来は私が言わなきゃいけないことなんでしょうけど、やっぱり実際に外で見てきて経験してないと気づけないことじゃないですか?そういう意味では、乃木坂以外を知らない私が言うより生駒が言ったほうが説得力があってメンバーに響くんじゃないかなって思ったんです。(中略)それに最近は、これもやったほうが良いねってことでライブ前に発声練習を積極的にやるようになったんですけど、その音頭を取ってくれる子も、また別にいるんですよ。そうやって、みんながそれぞれの得意なことに対して、じゃあ、私これやる!って行動してくれるので、それなら任せたほうがスムーズにいくかなって思ってるんです」
桜井「(前略)それぞれがいろんな意見を言うようになってきたんですよ。(中略)それは良いことなんですけど、その代わり、きっと衝突することも出てくるはず。それをうまくまとめられる役割を私ができれば良いなって思ってます。メンバーが安心して自分の思いを伝えられる空気感をつくっていく。私は、それに専念するのが良いのかなって思ってますね」
桜井「(前略)やっぱりみんなの意見を聞いていると、私が気づかなかった部分に気づいていたり、全然違う視点からの捉え方をしている子がたくさんいるんですね。だったら、私が一人で『こうだから!』って言うんじゃなく、みんなに言ってもらったほうが良い気がする。そして、それを聞きつつ、なんとなく最終的に私がまとめる方向にもっていったほうが、メンバーの個性も死ななくて良いのかなって思うんですよ」
桜井「(前略)私自身もキャリアが浅すぎて、アドバイスをしてあげられるような立場じゃないんですよ。みんなと同じ経験しかしてないから一緒に悩んじゃう。(中略)だから、今の私ができるキャプテンとしての唯一の仕事は、みんなの意見を聞いて、メンバーの総意をスタッフさんに伝えることと、雰囲気を良くしようって思うことくらいなんです」
桜井「私は選抜に入っていて、しかもキャプテンなのに、まだまだ気づかないことが多いんですよ。周りから、ここはこうすべきなんじゃない?って指摘されて、初めて、確かに!って思ったりする。本当に経験値が足りないんだなって思います」(以上、雑誌CD&DLでーた2014年9・10月号より)
桜井「(前略)私が率先して引っ張るというわけではありませんでした。各自がスタッフさんに気づいた点を伝えてくれたり、メンバー同士でやるべきことを確認し合ったりしていたから、自然と団結力が生まれて、流れとしてとてもよかったなと思います。」
今野「とはいえ、キャプテンとして桜井は桜井で動いていた。それが桜井の理想のキャプテン像じゃないのかな。今年の桜井は輝いて見えたよ。落ち込んでいたメンバーをフォローしていた姿だってちゃんと見ていたよ。」
桜井「いえいえ……。私としては、メンバー各自が積極的に動いて、私はその手助けをするのが理想かなと思っています。」(「悲しみの忘れ方」コンプリートBOX付録ブックレットより)

 みんなの話を聞く。相談に乗る。側で見守る。支えとなる。そんな桜井の行動に救われたメンバーがたくさんいます。

れいかさんを見ると安心します!
8thのイベントで
北海道にななみさんとれいかさんと
行かせてもらえた時に
飛行機の中で相談にのって頂いて
それからは、れいかさんを見ると
なんだか安心しちゃうんです♪(2014/0930Tue北野日奈子ブログ花言葉より)

玲香は昨日2幕の間ずーっと励ましてくれてて
一緒にがんばろうって言ってくれて
そしたら今日 本役選ばれて!(2014/0607Sat中元日芽香ブログひめたん-OoO-その449より)

でもねぇ、しっかりものなのぉ〜メンバーのことちゃんと考えてくれてて、、、
 
相談にも乗ってくれて、信頼されてるキャプテン
 
いつも皆のこと考えてくれてありがとう(2013/0805Mon和田まあやブログ綺麗な夜景とか見たい!いいとこ ありますかぁ?(*´∇`*)より)

Q12 乃木坂46に入っていちばん泣いたことは?
斎藤ちはる「9枚目シングルの選抜に呼ばれず、(桜井)玲香になぐさめてもらっているとき」(映画「悲しみの忘れ方」パンフレットより)

秋元真夏「初めてのジャケット撮影で私は玲香とペアだったのですが、あまりに緊張して大泣きしたのをすごく覚えています。大泣きしながら外に走りに行った私を玲香がずっとなぐさめてくれました」(雑誌MdN2015年4月号より)

中田花奈「(前略)半年くらい前に、私がレッスン終わりに急に泣き出して、話を聞いてもらったことがあったけど玲香の前だと安心して感情を全部出せちゃいます。」(NOGIROOMでの手紙より)
 桜井の親友、若月佑美もまた、桜井の存在に救われた一人です。NOGIBINGO!2の最終回では、アイドルをやめようか悩んでいた若月を桜井が支えてあげられなかったと思っていたのとは裏腹に、話を聞いてくれたことで救われたと若月は感謝します。

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生駒里奈「玲香は、いつも私が色んな事を考えてちょっといっぱいいっぱいになってしまう時に気づいて“落ち着いて、楽に考えな”って言ってくれます。この前もあったけど、特に私が兼任をしている時に色んな事を玲香に相談して、ひとり焦ったりして冷静さを失う事が沢山あったね。でも、その都度「ひとりで抱え込んじゃダメだよ、生駒は生駒らしくしてればいいんだよ。」って言ってくれて、それがすごく安心して。」(NOGIROOMでの手紙より)
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 キャプテン桜井による雰囲気づくりは乃木坂というグループの飛躍に欠かせませんでした。桜井がいることで、安心して挑戦していける。仲間の前を行くのではなく、共に歩き、支える。まさに、「玲香らしいキャプテン像」に辿り着いたのです。そんなキャプテン桜井は、仲間からの信頼も得ています。

松村「玲香ちゃんキャプテンっぽいなと思う。向いてるって言ったら失礼なのかもしれないけど、みんなにあんまり引っ張れてないとかイジられてるけどさ、実はすごい包容力あるなって思うし、なんか相談しやすい雰囲気もってるし、玲香でよかったって思うよ」
橋本奈々未「周りをちゃんと見てあげる余裕があるから、しっかりしてるなーって思う」(以上NOGIROOMより)
 
 乃木坂46というさまざまな個性の集まったグループで、ひとりひとりのメンバーがそれぞれのフィールドで自由に活躍している今の状況の背景には、仲間の個性を生かし、サポートしようとするキャプテン桜井玲香の存在があったに違いありません。

6.グループのとらえ方
 桜井は、とても謙虚です。あまり自分を出そうとしない。周りの意見を尊重できる人間です。しかし、決して節操なく付和雷同する人間ではありません。きちんと、自分の意見も持っていて、要所要所で、的確なコメントのできる人間です。
桜井「グループ単位で考えている時は冷静でいたいんです」
桜井「冷静さが一番大事だと思っているんです」(季刊乃木坂vol.1早春より)

 桜井の冷静さと広い視野はグループに欠かせません。

Q5アナタだけが知ってるあのメンバーのいいところ
生駒里奈桜井玲香。いちばん広い視野で乃木坂46を見られる人。」(映画「悲しみの忘れ方」パンフレットより)

今野「桜井はそういうところがあるよね。核心をついた言葉を吐いてるのに、自分じゃ気づいていないっていう。ぽんこつキャプテンって言われているけど、本当は乃木坂46のことがちゃんとわかっていると思うよ。」
今野「僕はいつも桜井の『グループのとらえ方』をチェックしている。どこに出しても桜井はちゃんと言葉を残してくれるっていう安心感があるし、メンバーも『キャプテン、頼む!』って心の中では思っているから」(「悲しみの忘れ方」コンプリートBOX付録ブックレットより)
  桜井はグループの変化や、グループの置かれた状況を正しく見る目を持っています。7枚目シングルの選抜発表は、まさに事件でした。入ったばかりの2期生、堀未央奈がセンターに抜擢されます。メンバーやファンが混乱する中、ブログにこんなことを綴っています。

そして16+1の新体制。
 
きっとメンバーの中にも
ファンの皆さんの中にも
スタッフさんの中でさえも
 
考えてる事や思っている事は様々あるし気持ちがはっきりしないのは当たり前だと思うんです。
 
だってきっと、人一倍乃木坂の事を考えてる人なら1期の気持ちもわかるだろうし、突然呼ばれた未央奈の気持ちもわかるだろうから。
 
昔からそうだけど、何か本当の意味での変革がある時は賛否両論様々な考え、意見が飛び交い不安定になるもの。
 
 
何が正解かなんて誰にもわかんないし
 
 
だったら取り敢えず、今を頑張るしかないです。
その答えは間違っている!てワーワー喚くだけで、別の考えを聞こうともせず受け入れ拒否する。そんなんじゃ、何の解決もしない上に、状況も変わんない。
それではいつまで経っても成長なんて出来ないよな...と。
(中略)
 取り敢えず、未央奈!
未央奈は周りが言う様に、びっくりするくらいの透明感と純粋さがあります。
それは乃木坂にとっては凄く大切な要素だと私は考えます。
私たちは未央奈の持つ魅力から新たなものを吸収していきたいと思ってます。
 
その代わりと言っては変だけど、
何も分からず不安を感じているであろう未央奈のことは、私たちが全力でサポートするよ!
 
一応先輩、そしてキャプテンという立場の人間ではありますが...
メンバーには頼りないポンコツとよく言われているので、全然改まらず気軽に話し掛けて欲しいなっ!
そして遠慮なく頼ってきてね!(2013/1009Wed桜井玲香ブログ*2013.10.9*より)
 メンバーの不祥事、卒業。生駒里奈AKB48と兼任することになったことや、2014年の紅白の落選。乃木坂46に立ちはだかる壁はこれまでいくつもありました。そしてこれからも沢山あるでしょう。しかし、桜井のスタンスの基本は恐らく、この7枚目の選抜発表後のブログと変わらないはずです。変化をしっかりと見定める。そして柔軟に、前向きに持っていく。急成長するグループは、まわりの変化が速く激しく、時に自分たちを見失いがちですが、こうして冷静に柔軟に対応できる桜井は、まさにキャプテンとして軸となっています。

 桜井「絶対、皆さんを後悔させないグループになります!どこにも負けないグループになります!乃木坂のことを愛し続けてください!」

 冷静に動きつつも、常にグループに対して情熱的に愛情をもって向き合ってきた桜井。そんな彼女が、今年の夏の全国ツアー千秋楽公演、ダブルアンコールの後に発した言葉は、みんなと共に歩くキャプテン像を目指した者ならではの力強いものでした。

7.個の輝き
 乃木坂46というホームがあって、一人一人のメンバーがそれぞれのフィールドで活躍する。お互いがお互いに良い刺激を与え、グループとして成長していく。そこではもちろん、桜井玲香も例外ではありません。彼女の個の輝きが、また他のメンバーの希望となります。

ーメンバー個人個人がさまざまなフィールドで活躍することもグループの知名度アップにつながりますよね。
桜井「そうですね。あと、『アイドル』の部分を抜いたとしても別の世界で通用する本格派というか……。」
乃木坂46だからやらせてもらえているみたいなことじゃなくて。
桜井「そういうふうに認めてもらえるメンバーが増えることが、のちのちの結果につながっていくと思います。だから、メンバーがそれぞれ自分でマトを絞って、本物を極めることが大事なのかなって。」(雑誌BRODY vol.03より)
 桜井の夢は女優です。そして、今年は確実にその夢の実現に向かって歩を進めました。いや、正確には、桜井はもう立派に女優です。そして、より高みへと進んでいる。「アイドルだから」というバイアスを壊したい、と本人が望む通り、ミュージカル「リボンの騎士」を見た乃木坂46のファン以外の多くの人たちがそのパフォーマンス(歌や演技)の質の高さに感心している様がTwitterでも多く見受けられました。

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 2016年はどんな演技を見せてくれるのか、楽しみです。

 桜井は映画「悲しみの忘れ方」のパンフレットの中で、乃木坂46の大好きなところ、嫌いなところを聞かれて次のように答えています。
桜井「年齢のわりに落ち着いていて控えめで、素朴なところが心地よいけど、控えめゆえにナイーブすぎるところが弱点」
 これは、桜井の乃木坂46に対する評価であると同時に、自分自身に対する評価なのではないか、と思います。
 
 2016年、桜井玲香が殻を破り、アイドルとして女優としてさらなる飛躍をすること、そして乃木坂46が強く正しく成長することを願っています。

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